甲斐
2年ぶりに舞台に立つ。
ブランクなんぞで失われるほど大したものは元々持っていないと思っているし、その2年間だってインプット作業は無意識にしていた。はず。
とりあえず復帰には色々と丁度良い作品だと思う。
演劇は良い。
従順じゃなくていい。提案していい。反論していい。体現して黙らせればいい。常識的でなくていい。バカをやっていい。笑っていい。泣いていい。怒っていい。嘘を吐かなくていい。本気でいい。
自分の中の自分じゃない自分でいていい。
頑張ることに躊躇いが生まれない。
世界の中心は舞台だ。
今回はミラクルなことに推しが4人中2人観に来てくれる。俺のチケット扱いで。
同じラインに立てたなんてとても思わないけど、好きな人の中で観るに値する人間であれていることが唯々嬉しい。
付けられた価値が妥当であろうとなかろうと、そこを超えていきたいと思わせてくれるから高まっていける。
今回の役が司るのは嫉妬、虚飾、諦観、孤独。
だと勝手に思っていて。
ああなんだ、ぴったりじゃないか。
バカバカしいコメディだけど、本気でやり切らないと笑えない後悔をするってことくらい知ってる。
仕事2つとアルバイト3つ捨てて戻ってきたんだ。
ぶちかましてやるから覚悟しろ。